ヨルダン国王への公開書簡 : 2023年サイバー犯罪法を廃止せよ 

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アブドラ2世・アル・フセイン国王陛下
ハシミテ王宮
ヨルダン、アンマン
2023年7月31日

陛下、

私たちは、地域および国際人権団体と市民社会のメンバーからなる団体です。私たちは、最近ヨルダン議会で可決された「2023年サイバー犯罪法」の草案について深い懸念を表明するために、陛下に手紙を差し上げます。この法律案は、現在の形では市民の自由を損なうものです。この法律は、その法的側面、社会的意味合い、人権への影響について十分な検討がなされることなく、性急に制定されたものです。私たちは陛下に対し、ヨルダンの基本的権利と自由を守るために介入するよう強く求めます。

この法律は、『人格攻撃』、『虚偽のニュースの流布』、『冒涜』といった曖昧で特定されていない罪に対して、禁固刑と多額の罰金を課しています。これは、国際連合人権委員会が示した市民的及び政治的権利に関する国際規約第19条の解釈と矛盾するものです。法律は、表現の自由を制限する自由裁量を、その執行に責任を負う者に与えてはなりません。

私たちは、この法律の多くの条項が、不当な公判前勾留を認めており、これは一種の予罰であり、影響を受ける個人の権利に対して何の保証も与えていないと考えます。これは、市民的及び政治的権利に関する国際規約の第9条(”不法な逮捕又は拘禁の犠牲となった者は、補償を受ける強制力のある権利を有する”)に違反します。

法律案は、司法判断を必要とせずにソーシャルメディア・プラットフォームをブロックし、そのコンテンツをコントロールする命令を出す権限を検察官と行政当局に無制限に与えており、ヨルダンにおけるインターネットへのアクセスを制限しています。さらに、この法律はデジタル通信の暗号化と匿名性に制限を課しており、個人の意見と表現の自由に対する権利を守ることを妨げています。

デジタル空間を規制し、個人や社会全体の福利を脅かしかねない犯罪から安全を確保することを意図した法律であるにもかかわらず、定義が緩く解釈の余地がある用語を用いた現在の形では、オンライン上の言論を理由に無実の個人を訴追するための道具となりかねません。

私たちはまた、陛下がクライストチャーチで開催された「オンラインにおけるテロリズムおよび暴力主義的過激コンテンツを根絶するための呼びかけ」に参加されたことにも注目しています。この呼びかけには、署名国が「人権と自由で開かれた安全なインターネット」を尊重し、促進することが盛り込まれています。 しかし、この法律を成立させることは、この呼びかけに真っ向から反対するものであり、この呼びかけに参加することで培われたヨルダンに対する好意的なイメージを危害するリスクとなります。

私たちは、この法律の制定が、ヨルダンが批准している市民的及び政治的権利に関する国際規約に反すると考えています。また、個人の権利、ヨルダンの評判、政治、法律、経済におけるヨルダンの国際的地位にも悪影響を及ぼすと考えます。これはヨルダンの憲法と法律に沿ったものではなく、他の既存の罰則とも整合しません。

以上のことから、私たちは陛下に対し、人権への準拠を確保し、既存の欠点に対処するために、個人、市民社会、政党との十分な協議が行われるまで、2023年サイバー犯罪法を否決するよう要望します。

敬具


署名団体

  • Human Rights Watch
  • Electronic Frontier Foundation
  • Access Now
  • SMEX
  • Gulf Centre for Human Rights (GCHR)
  • JCA-NET(Japan)
  • Masaar
  • Fair Vote UK
  • Manushya Foundation
  • INSM Foundation for Digital Rights
  • Derechos Digitales
  • The Tahrir Institute for Middle East Policy (TIMEP)
  • LaLibre.net Tecnologías Comunitarias
  • VOICE